トード島の騒動

Sick Puppy

カール・ハイアセン / 扶桑社 / 2001/05/30

★★★★

ちょっとマンネリ気味か

 カール・ハイアセンの1999年の作品。翻訳出版は『虚しき楽園』以来ということになる。

 フロリダの自然を破壊する人々を憎むトゥイリー・スプリーなる若者が、「スキンク」に似た奇行で騒動を起こす。相変わらず面白いが、少しばかり人物造型が平板であるように感じた。『殺意のシーズン』や『大魚の一撃』で、その作風に凄まじい衝撃を受けたことはたしかなのだが、そろそろ飽きてきたということもあるのかもしれない。あと、本書の翻訳はよくない。誤訳が透けて見えるというわけではないものの、投げやりな感じがして、文体の面白さに大きな比重があるこの人の小説にはかなり大きなダメージである。

 なお、「スキンク」という人物をビジュアライズするにあたって、なぜか自分がスコット・グレンを連想していることに気づいた。描写されている体格はずいぶんと違うけれども、その行動パターンがぴったりくる。彼ならば、小動物の轢殺死体を喜んで食べそうな感じがする。あるいは、そういう役柄を喜んで演じそうな。

2001/6/14

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