メールのなかの見えないあなた

Katie.Com: My Story

キャサリン・ターボックス / 文藝春秋 / 2001/06/10

★★

女子学生のメモワール

 著者のキャサリン・ターボックスは、1995年の13歳のときにAOLのチャット・ルームに入り、「マーク」というハンドルの23歳の男と知りあう。コネティカット州のニューケイナンという裕福な中流階級の町に住む、優等生で奥手の彼女は、ロサンジェルスに住むコンサルティング会社の経営者であるという彼に恋心を抱く。ところが実際に逢ってみると、その男は背丈の低い、ダサい靴を履いた男で、30歳代に見えたが、実際には41歳のフランシス・ジョン・クロフヴィッチという名の金融コンサルタントだった。彼女がホテルの部屋に入ってそれほど経たないうちに母親と警官がやってきたので、二人の間の行為はキスをして胸を触ったというていどに留まったが、「マーク」はインターネット絡みのペドフィリア犯罪で初めて有罪判決を受けた。クロフヴィッチの側からすれば災難にも思える経緯だが、この男にはペドフィリアの性癖があって、それまでに何人もの少年少女と関係を持っていたこともあり、司法取引で実刑判決を受けることになった。

 この事件の被害者が、18歳になって、「13歳のときの私はなんて幼かったんだろう」と振り返る本である。勘弁してほしい。アメリカの中流階級の少女の悩みに関心を抱いている人には1つの資料になるかもしれないが。というか、その手の人のための「攻略マニュアル」として使われるんじゃないかと心配だ。

2001/6/28

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