小泉革命

自民党は生き残るか

読売新聞政治部 / 中央公論新社 / 2001/06/10

★★★

緊急出版ということらしい

 少し経てば忘れてしまうと思うので書いておくが、2001年4月に小泉純一郎が橋本龍太郎を破って自民党総裁になり、首相の地位についたことは、大きな話題を呼んでいる。改革者のイメージを押し出した小泉が政権をとったことを素直に喜ぶ向きもあれば、自民党を延命するだけだと皮肉な見方をする者もいる。実際、2001年6月に行われた東京都議選では、小泉人気のおかげで自民党が勝利したとされている。いずれにせよ、本屋の店頭には「小泉関連本」がたくさん並べられており、本書は急遽作られたその手の本のうちの1冊である。

 ここ1〜2年の自民党の派閥間力学の解説を中心とする、まさに新聞社の政治部の書きそうな本。情報源を明示せず、見てきたようなことを書くタイプの文章で、こういうのをなんとかしない限り日本の政治ジャーナリズム(と政治)はどうにもならないと思う。

 どうやら日本経済は2001年に入ってすでに景気後退局面に入ってしまったようで、その中で「構造改革」を押し進めようとする小泉内閣には強い批判がある。小泉内閣の政策とこれからの経済がらみのセンチメントの変化にはおそらくほとんど因果関係がないのだが、世の中では「小泉内閣は国民からの支持によって成立している」というコンセンサスができており、自民党主流派にとっては参院選の後に各種経済指標が悪化することが有利になるという、なんとも厄介な構図ができあがっている。

2001/7/5

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