わたしはコンシェルジュ

けっしてNOとは言えない職業

阿部佳 / 講談社 / 2001/05/28

★★

表面的な紹介

 著者はヨコハマ・グランド・インターコンチネンタル・ホテルのヘッド・コンシェルジュ。コンシェルジュの世界組織「レ・クレドール」の国際正会員で、「レ・クレドール ジャパン」の会長とのこと。

 本書はコンシェルジュの仕事ぶりを紹介する本。面白いネタや洞察を期待して読んだのだが、通り一遍の解説で、コンシェルジュを目指す若者を増やすためのプロモーション本か、ホテルの従業員用の研修本という感じの歯ごたえのない内容だった。まあ、日本にコンシェルジュという職業の存在が浸透していないというのなら、こういう本の存在意義もあるんだろう。

 ユーザーの立場から言えば、ヨコハマ・グランド・インターコンチネンタルに限らず、コンシェルジュのいる日本のホテルには泊まりたくないと強く思った。自分が支払う宿泊費に、こういう仕事をする従業員の給料が含まれていると思うと腹が立ってくるだろうからだ。まあ外国人相手の商売には1つの武器になるだろうとは思う。でもそれは、「日本人客を見込んで世界中に拠点を設ける日航ホテル」とそれほど隔たりのない話だと感じた。

 コンシェルジュに限らず、ホテルという空間全体を扱っている面白いノンフィクションが『ザ・ホテル』だった。

2001/7/12

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