話を聞かない男、地図が読めない女

男脳・女脳が「謎」を解く

Why Men Don't Listen : And Women Can't Read Maps : How We're Different and What to Do About It

アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ / 主婦の友社 / 2000/04/25

これはひどい

 かなり売れているらしく、近くの書店ではいまだに平積みされている。ついに辛抱しきれなくなって読むことにしたのだが、半分ほどで挫折。買ってから知ったのだが、本書は要するに「ヒューマン・コミュニケーション」を語るセミナー講師の夫妻が、あちこちで聞きかじった情報を、取捨選択せずに、自分の信念に沿って適当につなぎ合わせた本である。『脳内革命』とか『買ってはいけない』みたいな本とそれほど隔たりがない。

 性差の生物学的決定論。1980年代にすでにその傾向はあったが、1990年代に入って性差に限らず、人間の持つさまざまな性質についての生物学的決定論が勢いを増してきた。性差についていえば、フェミニズムを中心とする文化決定論が弱体化し、生物学的決定論を口にしやすい状況が作られてきたわけである。この読書メモでは、この流れに沿って書かれたポップ心理学として『一度なら許してしまう女 一度でも許せない男』とか『なぜ美人ばかりが得をするのか』などを取り上げているが、本書に比べればこの2冊はまだマシだ。といっても推奨するわけではないのだが。

 たまたま続けて読んだ『女の能力、男の能力』はかなりまともな本である。しかし、本書を読んで「面白い」とか「なるほど」と思ってしまった人には、この『女の能力、男の能力』は読めないだろうから、やはり勧めることはできない。困ったもんである。

2001/7/12

TRCの該当ページへ

amazon.comの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ