24時間

24 Hours

グレッグ・アイルズ / 講談社 / 2001/09/15

★★

映画のシナリオのよう

 『神の狩人』の2000年の作品。子供の営利誘拐もの。父親と母親と娘をそれぞれ別の人間が監禁し、身代金の引き渡しまでを完全にコントロールするというテクニック。まるで映画のシナリオのように薄っぺらい小説で、クライマックスにはスクリーンに映えそうなシーンが用意されている。実際に映画化が予定されているそうだ。

 監禁している者とされている者の間の権力関係が、事態の進展に伴って何度か覆るという興味深いプロットがあるのだけれども、十分に考え抜かれていないのでサスペンスが生じない。面白い仕掛けをいくつも作れたかもしれないだけに、実にもったいない。逆に言えば、この不十分さが映画化にあたって有利に働く可能性がなきにしもあらず。説得力のないストーリーに説得力を持たせてしまうのが、映画の力であるから。

2001/9/16

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