シーファイター全艇発進

Sea Fighter

ジェイムズ・H・コッブ / 文藝春秋 / 2001/08/10

★★★

相変わらず面白いが

 『ステルス艦カニンガム出撃』『ストームドラゴン作戦』に続く、アマンダ・リー・ギャレットものの第3作。本作では、ギャレットはカニンガムを離れ、ステレス・ホバークラフトを中心とする戦闘群司令として、リベリアの沖で国連の下での軍事活動に従事する。恋人のアーカディ大尉は別の任務に移り、今回は海兵隊の大尉とのロマンス一歩手前が描かれる。また、上司からの密かな片思いと思われるものを描かれていて、今後のシリーズ作品でのダイナミックな男女関係が予感される。

 軍事スリラーとしての出来は、ステレオタイプではあるがかなり良い方で、普通に読むことができる。軍隊内教養小説とロマンス小説としての要素は、もうこういう小説なんだから笑って受け入れるしかないという感じだ。

 ただやっぱり、たとえばハロルド・コイルの『軍事介入』とか、エリック・L・ハリーの『米本土決戦』とか、古くはル・カレの『リトル・ドラマー・ガール』のようなハードさの方が好みである。本シリーズは戦争を小道具とする「ラブコメ」以外のなにものでもなく、軍事スリラーとしての能天気さが「ラブコメ」のおかげで相対的にマシに見えるというホリスティックな効果はあるものの、(著者のバックグラウンドが軍事の側にあるということを差し引いても)果たして軍事ものにする必然性はあるのかという疑念が生じてくる。

2001/9/23

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