凍りつく心臓

Iron Lake

ウィリアム・K・クルーガー / 講談社 / 2001/09/15

★★

ちょっと初心者っぽい

 著者はこれがデビュー作。本作は1999年度のアンソニー賞とバリー賞の最優秀処女長篇賞をダブル受賞したとのこと。

 しかしこれはどう好意的に見ても、単なる普通の中年男自己憐憫ハードボイルドである。特徴といえば、主人公にネイティブ・アメリカンの血が混じっていて、一族に伝わる伝説がちょっとした役割を果たしていること(しかし、考えてみると、ネイティブ・アメリカンを主人公とした小説や映画で、一族に伝わる伝説に言及しないものって、ありえないんじゃないかと思える)、そしてアル中小説ではないこと。もちろん彼なりに中年男の悩みは抱えているのだが、あまり切実な感じがしない。そのせいで、通俗的な冒険小説/謎解き小説になってしまい、そのベースにあるのはおっそろしくダサいサイコパスものである。

 シリーズものになっているようなので、今回は判断を停止して続篇に期待しよう。ただ本作は、私が個人的に、小説/映画の中で絶対にやってはならないと思っていることをやっているので、かなり腹が立った。

2001/10/7

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