バレエの宇宙

佐々木涼子 / 文藝春秋 / 2001/09/20

★★★

普通の解説本

 バレエについての普通の解説書。『バレエの魔力』は読者層を「中年のおじさん」に絞っているという点でユニークなものだったが、本書はほんとに普通である。ところどころ、「舞踊を通しての比較文化論」という観点が出てきて、これは面白い発想なのだが(たとえば民族によって回転系とかジャンプ系とかがある)、本書だけでは詳しい内容がわからない。寒いところでは体を温めるためにジャンプすることが多いって言うけど、回転でも体は温まるだろうし、熱帯地域にも縦方向にひたすらジャンプする踊りがあると思うが。もう1つの特徴は、コンテンポラリーな取り組みへの理解を示し、ガチガチの古典的バレエのファンに対する啓蒙を行っているところ。こういう態度が出てくる土壌については、憂国の書『オペラ・チケットの値段』に詳しい。

2001/10/7

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