ローマ教皇検死録

ヴァティカンをめぐる医学史

小長谷正明 / 中央公論新社 / 2001/09/25

★★★

ちょっと変わった視点の医学史

 著者は神経内科を専門とする医者。歴代のローマ教皇の死因を手がかりに、中世ヨーロッパの医学についてあれこれと語るという本。期待していたほど教皇そのものの話題は多くなく、マラリヤ、ペスト、輸血などのトピックに多くの分量が割かれている。新書という形態故にしかたがないことだが、もっと腰の据わった医学史の本の簡略版という感じがするのは否めない。巻末に掲げられている参考文献へと誘うための入門書としては良いか。

 全体的に真面目な本の中で、たった2、3箇所だけオヤジギャグが出てくるのだが、全体の印象がなぜかそれによって決定づけられてしまった。思うにオヤジギャグには、(1) いつの時代でもオヤジが言うギャグ、と、(2) いまのオヤジが若かった頃には通用したギャグを、古くなっているにも関わらず言い続ける、の2つのタイプがある。(1)は、容色衰えた女性が化粧の手を抜くというのに似ており、(2)は容色衰えた女性が若作りの化粧をするのに似ている。

2001/10/21

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