大学生の常識

鈴木雄雅 / 新潮社 / 2001/11/15

ある意味で怖い本だった

 著者は上智大学の教授で、ジャーナリズム史、オーストラリアのマス・メディアを専門としている人らしい。本書は大学を巡るエッセイで、大学の教員はどんな生活をしているのかとか、学生は大学で学ぶにあたってどのような心得を持つべきかといったトピックについてのまとまりのつかない文章が収録されている。

 49ページに、大学内でのセクシャル・ハラスメントに関する隔靴掻痒という感じの記述がある。ある女子学生から「自分の関心ある分野で大学院に進学したいが、その領域で著名な教授に師事することを望んでいる……。しかし、彼はセクハラまがいの行為で学内で知られたお人であるから、どうしたらいいだろうか」という相談を受けて、この人は、「毒蛇を前にして、違う道を選択できる段階で毒蛇がいる道をあえて自分で選ぶのだから、当然責任、リスクが生じる」わけで、「そういった教員には近づかないこと」をアドバイスするのである。

 なお、本書では一貫してwebページのことを「HP」と呼んでいる。そして「今年から毎週月曜日更新していたHP、授業サイトのアップが授業日程から不可能になり」と書き、この「アップ」にわざわざ注をつけて「アップロード(upload)すること」と説明している(本書の注は全体的に意図不明)。掲示板のレスポンスのことを「レス」と言う。そしてこの人は「コンピュータ実習」の授業を持っており、本書ではコンピュータ・リテラシーの大切さを力説している。

2001/12/16

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