戦場特派員

橋田信介 / 実業之日本社 / 2001/12/20

★★★★

本物の迫力

 著者はタイを本拠地にしてインディペンデントな活動を行っているジャーナリスト。1942年生まれの著者は、ベトナム戦争を皮切りに、カンボジア、湾岸戦争、ボスニア、鉱山技師拉致事件のときのキルギス、パレスチナなどに出かけ、大韓航空機爆破事件で墜落した機体を発見するというスクープもやっている。あとがきは本年10月にパキスタンで書いているという、完全なる現役。

 例によって日本人のジャーナリストに特有の感傷的な文章かと思って読んでいたら、途中から本物の持つ迫力を感じてきた。矛盾する表現かもしれないが、「映画に出てくるような戦場ジャーナリスト」なんである。紛争地に単身乗り込み、世間知とサバイバルの本能に頼って前線にたどりつき、そこで見たものを報告する。

 個々の章はそれぞれ印象深いものの、1冊に詰め込まれているだけあって分量に制限がある。もっと詳しい記述を読みたいものだ。というか、この人がこれまでにあまり本を出していないことが意外である。こういうケースは他にもたくさんあるに違いない。

2001/12/16

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