象は痩せても象である

インドから見た巨象・日本の底力

アフターブ・セット / 祥伝社 / 2001/12/15

★★★

インド人による興味深い日本論

 駐日インド大使による日本論。『喪失の国、日本』は日本人の手で書かれたものである可能性が高い本だったが、こちらは身元が確実。日本人ライターの手がかなり入っていることは間違いないし、巻末に付記として「本書に述べる見解は著者個人に基づくものであり、インド政府の意向を反映したものではない」とあるにしても、日本人を心地よくさせ、インドという国を宣伝するという、外交官の仕事をきっちりとこなしている。特に興味深いのは、第二次世界大戦よりも前の時期の日本とインドの関係を紹介して、両国の間に深いつながりがあったことを強調するところと、自国が行った核実験を弁護するためのレトリック。

 現在の日本における、無茶苦茶な神秘の国というインドのイメージは、高度成長期以降の日本人の旅行者によって作られた部分が大きい。ということに最近になってようやく気づいた。

2002/1/5

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