世界をだました男

Catch Me If You Can

F・アバネイル、S・レディング / 新潮社 / 2001/12/01

★★★★

不思議な話だ

 本書は1980年に出版された本だが、スティーヴン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化が予定されているので、急遽再販され、日本でも翻訳出版されたということのようだ。史上最強の小切手詐欺師という触れ込みの著者が、現役の頃の活動を回顧して書いた本で、実際の犯罪は1960年代に行われている。コンピュータ・ネットワークがほとんど発達していなかった頃のことで、いまとなっては到底不可能な、ある意味では牧歌的な時代の犯罪である。

 こうして実話として提示されたのでなければ、リアリティのないほら話と思っただろう。小説のプロットとしては現実みがなさすぎるぐらい、大胆不敵で異様な数々の活動である。現在は詐欺対策コンサルタントをやっているらしいが、知能が高い反社会的なサイコパスの、理想的な落ち着きどころということだろうか。読んでいて必ずしも気持ちよい本ではないけれども、びっくり仰天することだけは保証する。

2002/1/10

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