神風がわく韓国

なるほど、なるほど! 日常・ビジネス文化の日韓比較

吉川良三 / 白日社 / 2001/10/31

★★★

標準的な文化論

 著者は日立、NKKを経由して、三星電子の常務をやっている人。本書はビジネス分野での日韓比較論で、韓国でも出版されているとのこと。『韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由』と似ているが、こちらの方は韓国滞在歴が短く(1994年から)、それ以前には、またそれからしばらく経っても、「日韓比較文化論」なんてことにまったく無縁だった点が異なる。この人は、外資系企業のマネージャとして赴任し、赤坂・六本木あたりの外人マンションに住む欧米人とそっくりの立場で韓国に行った。それが数年経ってから、「さすがにこれはまずい」ということを認識し、生まれて初めて「文化」というものに思いを馳せるようになった、という感じである。

 タイトルの「神風」は「シンパラム」と読ませる。日本でいう「カミカゼ」と韓国でいう「シンパラム」は、同じ漢字でありながら違った意味を持っているというのが著者の着眼点。こういうオヤジくさい切り口での文化論は、私の見た範囲では、日本だけでなく韓国でも人気があるようだ。

 以下は、韓国人を対象として書くことにする(って、誰も読んでないか)。『韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由』もそうだったけれども、著者は古い世代に属する。この人が、日本人の特性として書くことは、必ずしも現代の日本人の多くの特性ではない。また、この人が望ましいものとして書く特性を、現代の日本人の多くは必ずしも望ましいと思っていない。だから本書を読んで、「日本人は日本と韓国についてこう考えているのだ」と思ってもらっては困る。実際のところ、この人の物の考え方と、現代日本の若い世代の物の考え方は、この人の物の考え方と韓国人の物の考え方と同じぐらい隔たっているかもしれない。

2002/1/10

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ