アラーが破壊した都市

砂漠の都ウバール発掘

The Road to Ubar: Finding the Atlantis of the Sands

ニコラス・クラップ / 朝日新聞社 / 2002/01/05

★★★★★

エキサイティング

 著者はドキュメンタリー映画の製作者。帯から引用する。

『コーラン』と『アランビアンナイト』で語られ、アラビアのローレンスが「砂漠のアトランティス」と呼んだ幻の都ウバール。
衛星画像、レーダー探査と古地図や文献を縦横に駆使して失われた道をたどった「現代のシュリーマン」の画期的発見の記録。

 『コーラン』や『アラビアンナイト』で、悪徳が栄えたせいで崩壊した町として言及されているが、その所在が不明だったウバール/イラムの町を、アラビア半島の現在のオマーンに発見したアマチュア考古学者の話。発掘が行われたのは1990年代に入ってからのことで、つい最近の話である。この日経サイエンスの記事にもあるように、衛星画像を利用したハイテク考古学の成果の1つでもある。

 学術上の細かい話があまりないのが少し不満だが、それ以外の部分が補ってあまりある好著。何よりも、『レイダース』とか『ハムナプトラ』などの映画に描かれている、19世紀〜20世紀初頭型の「伝説を追う冒険者/考古学者」をそのまんま再演しているのが驚きである。面白い。

2002/1/20

TRCの該当ページへ

amazon.comの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ