故郷への苦き想い

Heartland

デヴィッド・ウィルツ / 扶桑社 / 2001/12/30

★★★★★

面白い

 デヴィッド・ウィルツ(『破壊の黙示録』)が久しぶりにベッカー・シリーズ以外の作品を書いた。本作は2001年に出版された最新作。

 『わが故郷に殺人鬼』"Home Again"とよく似たプロット。シークレット・サービスのエージェントが職務中に負傷し、精神的な痛手を受けて久しぶりに故郷に戻ってくる。そこで高校の教師たちをターゲットとする狙撃事件に遭遇し、捜査に関わっていくという回復の物語。

 標準的なハードボイルドだが、ダークな側面の描き方がやはり上手である。『発動! NY破壊指令』や『倒錯者の祈り』のときのような衝撃はもはやないが、成熟した作家の安定した深みを楽しめる佳作と呼んでおこう。個人的な感想としては、文句なしに泣けるいい話であり、主人公の女性たちを見る目が味わい深かった。続篇も予定されているとのこと。

2002/3/11

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