グローバル・メディア産業の未来図

米マスコミの現場から

小林雅一 / 光文社 / 2001/12/20

★★★

ハンディな解説書

 アメリカのメディア産業の現状を、プリント・メディア、テレビ、音楽、映画、およびゲームというトピック別に解説している。ハンディな解説書である。ただし、その手の出来事に注目している人にとっては、知らないことは何一つないというような内容。「米マスコミの現場から」という副題はその点ミスリーディングで、これらの情報は世界のどこの国にいても、インターネット経由で簡単に入手することができるだろう。新聞やテレビの項目で著者自身がそのような状況をメディアの直面している苦境として描いているだけに皮肉な事態ではある。

 われわれを取り巻くメディアのあり方はここ10年ほどで激変した。物心ついたときからこの環境に囲まれている人は、それ以前から生きていた人間とは根本的に世界の理解の仕方が違うんじゃないかと思うほどだ。これはだいたいにおいて好ましい変化である。個人的には、世界に関する情報に手を伸ばし始めた頃にさんざん苦労したことがいまとなって役に立っているなどと思い込みたいが、やっぱり情報は楽にたくさん入手できた方がいいに決まっている。

 その中で、本サイトで扱っている書籍というメディアの環境は驚くほど変化していない。目につくのは、オンライン書店のおかげで洋書を買いやすくなったということぐらいか。細かいところでは、最近の「新書戦争」での新書のムック化があるけれども、これは従来からある流行の変化の1つかもしれない。

2002/3/11

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