トランク・ミュージック

Trunk Music

マイクル・コナリー / 扶桑社 / 98/06/30

★★★★

安定感はあるが

 ハリー・ボッシュ・シリーズの5作目。これまでの作品は以下のとおり。

"The Black Echo"(1992) 『ナイトホークス』

"The Black Ice"(1993) 『ブラック・アイス』

"The Concrete Blonde"(1994) 『ブラック・ハート』

"The Last Coyote"(1995) 『ラスト・コヨーテ』

"Trunk Music"(1997) 『トランク・ミュージック』

 シリーズ外に"The Poet"(1995)『ザ・ポエット』があり、また"Blood Work"(1997)が未訳である。

 この『トランク・ミュージック』では、ボッシュはハリウッド署の殺人課に戻っている。とても良い上司(女性警部補)と、とても良い部下二人(黒人男性と黒人女性)に囲まれて、なんだか幸せそうだ。窮地に陥って、そこから巧妙に脱出するところはいままでと同じだが、これら上司と部下のおかげで危機が危機に思えない。巻末の解説にあるように、これでシリーズが終わったとしても不思議ではない感じだが、実際には次作を執筆中だそうである。

 ストーリーはさすがに凝っていて、「二転三転する状況」の教科書のようなもの。もともとの企みはそれほど複雑なものではないのだが、捜査の進み方ゆえに事態が複雑に見えるという状況を作り出している点で、推理小説の王道ともいえる。しかし、それゆえに予定調和的にも見えてしまって、難しいもんだ。

1998/7/11

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