千語一語物語

山崎浩一 / 実業之日本社 / 2002/09/18

凋落はなはだしい

 1994年から2001年にかけて書かれた、そのときの流行の(またはそうでない)言葉を題材にした時事コラムに、書き下ろしを追加したもの。

 著者の本をこの読書メモで取り上げるのは初めてである。この人は80年代のポップカルチャーの中で、ちょっと捻った視点を持つ雑文書きとしてそこそこ目立っていたような気がするのだが、久しぶりに読んだ本書の内容を一言で言い表すとすれば、「Web上のそこらの素人の方が面白い」。

 エッセイのジャンルではこのような感慨を抱くことが少なくない。特に受け狙い系のエッセイはそうである。本書のあとがきを読んで思ったのは、読者からのフィードバックの経路を持たず、編集者のみを仮想読者とする、既存の文筆業者の限界だった。Web上の受け狙いエッセイがすべて面白いとは決して言わない。しかし、読者からのフィードバックを掲示板やメールで受け取ることができ、成果がアクセス数という形で直接に反映されることは、雑誌媒体に掲載されるエッセイにはないアドバンテージである。それをどう活かすかはサイト作者の手腕次第ではあるとしても。

2002/10/8

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