カントの人間学

中島義道 / 講談社 / 97/12/20

★★★★

カントの道徳論を使ってカントを分析する

 カントが書いたモラリスト的な文章を引用し、その一方でカント自身がどのような生活を送っていたかを紹介する覗き見的な本。1992年の『モラリストとしてのカントI』(北樹出版)を「やや縮小し適宜改変したもの」。

 わかることは、いまから見るとカントはモラリストとしては論じるに値しないということだ。この文脈でカントを救い出すためには、18世紀後半のドイツという大きな舞台の中で、彼の文章や行動がどのような位置にあったのかを述べないとだめなような気がする。

 のだが、著者がカントに注ぐ愛情ゆえか、とても面白く読めた。

1998/7/13

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