教育改革幻想をはねかえす

諏訪哲二 / 洋泉社 / 2002/07/30

★★★★

まあいつもと同じ

 著者の本としては『学校はなぜ壊れたか』『教師と生徒は〈敵〉である』

 この読書メモを遡ると、私は1999年3月に、河上亮一の『学校崩壊』の項で、「「プロ教師の会」のメンバーの主張には長らく関心を持ってきたのだが、この本にはいままでにない特徴がある。著者が、時代の風が自分にいくぶん有利な向きに吹いていると感じているらしいことである」と書いている。同年の6月に『分数ができない大学生』が出版されて以来、この傾向は完全に一般化し、いまでは完全にこちらの方がマジョリティとなった。

 わざわざマイノリティを珍重してマジョリティに背を向けるというようなことはしたくないのだが、同じ論調の本をいくつも読んでも面白くないのは読書生活の真実である。著者の諏訪哲二は依然として明晰で良い文章を書いているが、こちらとしては食傷気味になってきた。これと同じほどの明解さの、文部科学省の教育改革を支持する文章を読みたいものだ。

2002/10/8

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