知識ゼロからの現代史入門

青木裕司 / 幻冬舎 / 2002/10/10

★★

新左翼的反米

 著者は河合塾の世界史の講師。1956年生まれ。

 米ソ冷戦、中国、中東、そして現在のアメリカの覇権というテーマに沿って章を立て、「知識ゼロ」からでも理解できるわかりやすい解説を行っている。立場は新左翼的な反米と思われるが、ナショナリストな反米との区別がほとんどつかない。本書を読んでいて思ったのは、その理由の1つにはスターリン批判や文革批判がアクチュアルな意味を失ったことがある。

 「現代史入門」のためのハンドブックの体裁をとっているが、著者の政治的見解が色濃く反映されており、その意味で入門書としては適さない。間違ってこの本で入門してしまった人には、いろいろな本をあわせて読むことをお勧めする。

 なお、245ページには次のような記述がある。

そしてクリントン政権が二期目に入った1995年、彼らの眼前に怪物が登場しました。それは、マイクロソフト社のビル=ゲイツでした。「Windows 95」という基本ソフトは、圧倒的なシェアを勝ち取り、老舗のマッキントッシュ(アップル社)を敗北させました。そして1997年には、アップル社を事実上吸収してしまったのです。

 うーむ。

2002/10/12

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