だからアメリカは嫌われる

Eagle's Shadow, The: Why America Fascinates and Infuriates the World

マーク・ハーツガード / 草思社 / 2002/10/18

★★★

リベラルによるエッセイ

 『世界の環境危機地帯を往く』の著者が、9/11事件の1年後に出版した本。邦題は「だからアメリカは嫌われる」だが、原題の副題には"fascinates"の一語が入っていることに注意。私は、草思社のタイトルの付け方は嫌いである。

 著者は完全なリベラルの立場をとっていて、『Bias』の項で触れたようなアメリカのメディアの左傾化なんてない、と言い切る(この本についての言及もある)。民主党と共和党の中間地点を「中道」と定義するならば、「極左」と呼びうる位置ということになるだろう。

 本書は、世界を旅する中で出会った外国人たちの目から見たアメリカを紹介するという趣旨の本なのだが、日本の典型的な「自虐派」と異なるのは、自らも愛国者であることである。日本の「自虐派」も愛国者のニッチを早めに確保しておけばよかったのに、とはつねづね思っていることではある。

 『世界の環境危機地帯を往く』と同じく分析と思索の部分が散漫であまり面白くないだけでなく、紹介される外国人のアメリカ観が、著者の自国についてのリベラルな見解を披瀝するダシとしてしか使われていないのがどうも気に入らない。

2002/11/11

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