最も危険な場所

Pale Horse Coming

スティーヴン・ハンター / 扶桑社 / 2002/05/30

★★★

西村寿行化か?

 『悪徳の都』に続くスワガー・シリーズの6作目。アール・スワガーを主人公とした作品で、1951年を舞台にしており、話としては『悪徳の都』の続きということになる。

 前作と前々作『狩りのとき』は素晴らしいと思ったのだが、本作はそれ以前の『ブラック・ライト』『極大射程』に似た印象を与える作品になっている(『ダーティホワイトボーイズ』はピカレスク小説として素晴らしい)。普通の冒険小説なのである。

 ミシシッピー州にある黒人専用の刑務所が、社会から隔絶した状態でひどい状態になっている。アール・スワガーは、その地で捉えられたサム・ヴィンセントを助けようとして自分が捕まってしまい、拷問を受ける。その後は『七人の侍』をベースにした復讐の物語が展開する。

 『悪徳の都』や『狩りのとき』のような深みは最初から追求しておらず、典型的な物語を筆力で成り立たせようという趣旨のアクション小説なのだろう。本作は西村寿行化の一歩手前まで来ており、筆力があるだけに、読んでいくにつれて少々ばかばかしく感じられてくる。別に悪くはないし、一気読みできる作品ではあるのだが、読んでいる間はむしろ退屈だった。

2002/11/11

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