イラク戦争

ブッシュ政権が隠したい事実

War on Iraq

ウィリアム・リバース・ピット、スコット・リッター / 合同出版 / 2003/01/06

★★★★

面白い告発本

 対イラクの国連査察に関わっていたスコット・リッターに対する電話でのインタビューと、リベラルな著者による簡単な背景事実のまとめを収録した薄い本。今年に入ってから、書店にこのタイプの反米本が数多く並ぶようになった。本稿を書いているいま、アメリカを中心とした連合軍によるイラクへの侵攻が進行中である(と書いたものをアップロードするのが遅れて、戦争は終わってしまった)。

 スコット・リッターは、国連査察官としてイラクの大量破壊兵器を調査する仕事(UNSCOM)をしていたが、1998年に査察が正しく行われていないと抗議して辞職した。それ以来、アメリカのメディアでは一般に狂人扱いされてきた。本書は彼が主張してきた事柄をコンパクトにまとめているいい本だと思われる。

 要点をまとめれば、1990年代後半、UNSCOMによる査察はうまく行っており、イラクの持っていた大量破壊兵器の製造能力を完全に破壊できていたのにもかかわらず、二代目の査察団長リチャード・バトラーは、そのような事態が好ましくないと考える主にアメリカ政府の意向を受けて、UNSCOMがそのミッションの成功に失敗したという雰囲気を作り出そうとしていたということである。もちろんリチャード・バトラーはそれとは違うことを言っており、イラク戦争はそちらの側の世界観に立って行われた。

 amazon.comの読者コメントを読むと、スコット・リッターに対する個人攻撃がどれほどの効果を発揮しているかがよくわかる。

2003/4/27

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