殺人摩天楼

Gridiron

フィリップ・カー / 新潮社 / 98/08/01

★★★

平凡。駄作

 超ハイテク・ビルが意識を発生させ、自らの中に建築関係者や警備員などを閉じ込めて、ひとりずつ殺していくというスリラー。フィリップ・カーがそういう本を書いているということを知って以来、翻訳出版を心待ちにしていたが、すでに『殺人探究』の時点で期待は失せていた。まあ予想はあたった。どうしようもない小説になっている。

 基本的にフィリップ・カーは、ベルリン三部作を書きおえた後は「エンタテインメント指向」になったようである。これが「つまらない」の同義語であることは不可解ではあるけれども、まあそういうことだ。『屍肉』は素晴らしい小説だったけれども。

 いろいろと面白い仕掛けができそうな設定なのに。ハードボイルドは書けるが、SF小説は書けない人なのだろうか。

1998/8/30

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