青木雄二のゼニと世直し

現代日本のていたらく、ボクが言わんで誰が言う!

青木雄二 / 大和書房 / 98/05/30

★★

平凡で安全

 この本の特徴は、副題の「現代日本のていたらく、ボクが言わんで誰が言う!」にすべて出ているといえる。とりわけ、一人称代名詞が「ボク」となっているところがそれだ。それに「言わんで」という大阪弁が加わって完璧なのだが、別にこれはなくてもよい。要するに、「いろいろと苦労したがそこそこ成功した中小企業の社長が平凡な話を押しつけがましくする」である。

 実際、この本を読んで驚いたのは、話の内容がものすごく平凡であるということだった。『ナニワ金融道』というマンガを描くぐらいだから、何か底知れぬ情念と経験・知識があるのかと思ったら、実は中小企業の社長に他ならなかった。

 心情的には、こういう話にはおおむね共感するのであるけれども、別に『ナニワ金融道』の著者からそれを聞かされる必要もないし、語り口に別に優れた点があるわけでもないので(中小企業の社長の口調そのもの)、しんどい。

1998/9/6

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