ナイト・ドッグズ

Night Dogs

ケント・アンダーソン / 早川書房 / 98/09/30

★★★★

少し古いスタイルだが、古いだけに迫力あり

 1970年代のポートランドを舞台にした警察小説。主人公はベトナム戦争時に特殊部隊にいたパトロール警官。「自伝的小説」ということらしい。

 『燃える警官』を思い出させるような作品。そういう意味では、これは1980年代の警察小説であって、すでに古いのだけれども、あえて90年代も終わりに70年代を舞台とした80年代の警察小説が書かれたということを真剣に受け止めたいと思う。

 訳者あとがきから、作者の経歴を引用しておく。作者のケント・アンダースンは、現在五十二歳で、アイダホの州都ボイシ在住。かつてアメリカ陸軍特殊部隊の軍曹としてヴェトナム戦争に従軍、青銅星章を授与されている。帰還後、七〇年代のなかば、警察官としてポートランドのアフリカ系アメリカ人地区に数年間勤務。八〇年代には、ハリウッドで脚本を書いていたという。昨年まで七年間、ボイシ州立大学で創作クラスを教えていたが、それも辞めることになり、その後のあてが何もないときに、バンタム・ブックスからの高額の版権契約が舞い込んだのだという。「ボイシ州立大学での最終学期のことだった。あの話が来るまでは、オアハカにでも行って車で暮らすか、麻薬の売人になるしか選択肢がなかった」。

 1987年に、Sympathy for the Devilという長篇を書いているそうで、この本の主人公であるハンソンの特殊部隊員としての訓練と、戦場での戦いを描いたものらしい。するとこの人は10年後ぐらいには、ハリウッドの脚本作家についての自伝的小説でも書くのだろうか? その10年後には創作クラスの教師の話とか?

1998/10/1

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