猟鬼

The Button Man

ブライアン・フリーマントル / 新潮社 / 98/10/01

★★★★★

文句なしに面白い

 モスクワ民警の大佐であるディミトリー・ダニーロフとFBI本部ロシア課課長のウィリアム・カウリーを主人公とする警察小説。1994年に第2作の『英雄』"No Time for Heroes"が出版されたので、表紙には「ダニーロフ&カウリー・シリーズ」と書いてある。

 モスクワのアメリカ大使館に勤めていたアメリカ人女性が連続殺人の犠牲になったため、FBIからカウリーが派遣され、ダニーロフと一緒に捜査にあたる。この小説は、モスクワ崩壊後のロシアを舞台にした警察小説であると同時に、国際政治小説でもある。ロシア人とアメリカ人が捜査の現場で行う駆け引き、両人に自国の偉い人たちからかかるプレッシャーの設定などは、フリーマントルの面目躍如たるところだ。ロシア人とアメリカ人の間での異文化コミュニケーション小説でもあって、あらゆる面で緻密である。今後の展開によっては、チャーリー・マフィン・シリーズのようなユーモアの遊びがない部分、さらに面白いシリーズになるかもしれないと予感させる。

1998/10/13

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