記憶の闇の底から

Past Recall

ジャック・ネヴィン / 扶桑社 / 98/09/30

★★★

平凡なミステリ

 主人公の児童文学者が、鬱状態に陥ってセラピストにかかっていた娘から、幼い頃に性的虐待を受けたという理由で訴えられる。

 分厚い本で、どっしりした構えの構成ではあるのだけれども、平凡という印象が拭えない。何よりも、この小説には2つばかり仕掛けがあるのだけれども、それが途中からみえみえになってしまう。

 イギリスが舞台だという点は少しばかり目新しい。サイコセラピーによる偽の記憶の浮上という件が、イギリスではまだあまり知られていない、という事情がストーリーの一部として使われている。

 なお、全体として、この小説の登場人物はうっとうしい。

1998/10/23

 この本では日記であるが、小説内の手記という小説手法上の問題についてのいくつかの考察が『ひとりで歩く女』にある。ただし、この本は本格推理小説であり、トリックのヒントをかなり露骨に書いているので注意していただきたい。

1998/10/25

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