詩篇殺人者

The Psalm Killer

クリス・ペティット / 早川書房 / 98/10/31

★★★★

重厚な警察小説とスパイ小説の組み合わせ

 北アイルランド警察の警察官を主人公とした警察小説なのだが、その背後にはIRAがらみのスパイ小説仕立ての物語がある。しかし、警察小説の部分そのものはローレンス・サンダースの初期のような比較的古い感じのプロット。それがまた重厚な感じを作り出すのにも貢献しているかもしれない。

 とにかく北アイルランドを舞台にした物語の緊張感が神経にこたえる。こんな舞台で普通の警察小説を書けるわけはない、という気がしてくる。その結果、普通に読んでいたら何がなんだかわからない複雑なプロットとなった。松本清張の小説を外国人が読んだらこんな感じがする、のかもしれない。

1998/11/9

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