虚しき楽園

Stormy Weather

カール・ハイアセン / / 98/10/31

★★★★★

文句なしに面白い

 カール・ハイアセンの1995年の作品。原書で読んでいたのを日本語で読み直した。巨大なハリケーンが襲来した後のさまざまな騒動を描く。とにかく面白い。

 カール・ハイアセンは、TVのニュース番組のマイアミを扱う特集なんかで何度かしゃべっているところを見たことがあるのだが、まさにこういう感じの本を書きそうな人だった。特に記憶に残っているのは、マイアミ州知事を筆頭とする多数の官僚を巻き込んだ、麻薬組織とのコネクションに関するスキャンダルの報道。ハイアセンは、マイアミという地域は知的に洗練されていないので、犯罪がきわめてバカバカしい形で行われ、露顕すると証言していた。なんでも、ある官僚がオフィスで業者に賄賂を要求したときに、テープに録音されるのを怖れたのか、欲しい金額を口には出さずに紙に書いて見せた。しかし、その紙を破ることもせず、そのままオフィスのゴミ箱に捨てたので、動かぬ物的証拠となったのだそうだ。まあ、そういうことを本当に嬉しそうに話すのである。

 ハイアセンの小説に出てくる人物たちのバカバカしさは、意外と真実からそれほどはかけ離れていないのかもしれない、と思ったのだが。

 この『虚しき楽園』では、最初の方から久しぶりに元州知事のスキンクが飛ばしているけれども、個人的には、頭蓋骨のジャグリングを趣味とする男が、シャワーを浴びていたときに、付き合っていた女性に背後から腎臓摘出をされそうになったというエピソードが気に入った。なんでこんなバカバカしい話を思いつけるのか?

1998/11/27

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