うるさい日本の私、それから

中島義道 / 洋泉社 / 98/12/08

★★

普通の本になった

 『うるさい日本の私』の続篇。事態は改善されていないが、著者は思索を深めた結果、日本の街にあふれる騒音の問題を、他のさまざまな文化的事象に一般化した。その結果、普通の西洋かぶれインテリの文章になってしまった。

 街に溢れる音に耐えられないという自分を、なんとか正当化し納得するためには、他の人々(この本で「大衆」と呼ばれているもの)がそれらの音に耐えていることを非難しなければならない、ということだが、前作はその色がどちらかといえば薄かった。今回はそちらの方面が全開なので、結局はよくあるタイプの文章と主張になったわけだ。

1999/1/11

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ