監禁

Speaking in Tongues

ジェフリー・ディーヴァー / 早川書房 / 98/02/28

★★

失敗作

 前作『静寂の叫び』は非常にクオリティの高いミステリ小説だった。聾唖学校のスクールバスが誘拐され、たてこもった誘拐犯とFBIの人質解放チームの交渉の過程をじっくりと描いていた、あの小説である。それを言えば、かなり前になるが『死を誘うロケ地』は地味ながらもいい小説だった。

 この『監禁』は、『静寂の叫び』のあと急いで書いたものなのだろうか? 帯には「神に憑かれた謎の男が、綿密な計画を練り上げて少女を誘拐、寂れた教会に監禁する」という説明が書いてあるが、このきわめて陳腐なストーリーが、陳腐なまま投げ出されている。登場人物たちの描写もきわめて類型的で、いま気づいたけど、映画化を狙っているのだろうか? だから敢えて陳腐な要素だけにしたとか?

 かっこいい黒人、情けない弁護士、愚かな妻、太った刑事などなど、それぞれ割り振るべき役者がすぐに思い浮かぶような。

 期待していただけに、とても残念。

1998/3/25

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