悪魔の死

Demonens dod

アンネ・ホルト / 集英社 / 99/01/25

★★★★★

このシリーズは快調

 ノルウェーの女性警察官を主人公にしたシリーズの、『女神の沈黙』と『土曜日の殺人者』に続く3作目。2作目を見逃していたことに気づいた。

 興味深い人物群と、その人々を襲う現実的な問題を地味に描くシリーズなのだが、かなり好き。特に主人公のハンネ・ウィリヘルムセンの描写は、ポスト・フェミニスト・ミステリの一つのあり方を示していると思う。女性であり、同性愛者であり、そのことが社会生活の中でいろいろな問題を引き起こしているけれども、捜査官として抱える問題は普遍的なものである。

 なお、この本の結末はかなり面白いもので、ミステリ小説のトリックという点でも非常によくできていると思った。なんというか、「ヨーロッパ的」であるというか、一筋縄ではいかないという印象を与えるストーリーである。最後まで読み終えた時点で、この本のタイトルである『悪魔の死』の「悪魔」が誰であるかということを考えると、著者の意地の悪さに背筋が寒くなる。

1999/2/5

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