なぜ日本は没落するか

森嶋通夫 / 岩波書店 / 99/03/05

★★★

耳を傾ける価値ありだが、傾けるだけでいいかも

 西暦2050年の日本の像を、各世代の特徴をもとに推測する。要するに、「2050年には、いまの小学生が社会の中枢を担う地位にいる」というような論理である。1999年の50年前は1949年であるということを考えたら、どう頑張っても予想なんか当たらないと思うんだが、まあ森嶋通夫の言うことだから耳を傾けておいてもいいかな、という感じ。

 いろいろ言っているけど、「高等教育の大衆化による学力の低下」、「政治の駄目さ」、「儒教的倫理の地位の低下によるモラルの低下」あたりが中心の論点となる。そして日本は、アメリカとヨーロッパをそれぞれ中心とする文化経済圏に対抗するために、アジア・ブロックを作るために積極的に動くべきであると提言する。なお、自由主義史観の動きに釘をさす。そりゃ、アジア・ブロックを作る方に動くとなったら、自由主義史観のようなナショナリズムがあったらまずいだろう。

1999/3/12

 1999年11月号の『論争東洋経済』誌に、小宮隆太郎による「批判的書評」の第一部が掲載されている。小宮の方の議論にも勇み足と思われる部分があるが、全体として見て、森嶋よりも小宮の論の方がまっとうであるように思われた。

1999/10/2

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