麻雀で食え

山ちゃん 麻雀カッパギ指南

山崎一夫、西原理恵子 / 竹書房 / 98/01/28

★★★★

これはたぶん正しい

 赤牌入り東風戦2の2-6、ご祝儀ありのルールでの麻雀が主流になった現在における戦略を論じている初心者向けの本。

 といいながら私は麻雀をやらなくなって久しく、東風戦なんてやったこともないから、これは完全に別世界の話なのですが、この著者のスタンスの面白いところは、どちらかといえばパチンコの研究の方を本業としている著者が、それをバックグラウンドとして麻雀のことを書いているというところにあります(といいながら、私はパチンコは1、2回しかやったことないので、やはり異世界)。

 麻雀雑誌なんて読まなくなって久しいので、いまの主流がどういうところにあるのか知らないけれども、この著者はパチンコの「解析・攻略」の流れに沿って、麻雀の戦略を確率論で考えようとしている。そうすると、現在の主流のルールでは、特殊な事情がない限り、「棒テン、即リー、全ツッパ」が正しいということになって、これが(この本の細かい記述などから推測するに、いまでも流通している)伝統的な「翻牌を絞る」とか「安牌を残す」などの戦略と真っ向から対立する。で、結論からいうと、この著者の立場の方がたぶん正しいし、おそらくこれは、「赤牌入り東風戦2の2-6、ご祝儀あり」みたいなルールでなくても、「赤牌なし東南戦1の1-3、ご祝儀なし」程度のルールでも正しいのだと思っていた。少なくとも、この戦略を取る人が、そうでない人たちの卓に入った場合の勝率は、他の条件が同じならば、そうでない人たちの卓の中に、その人たちと同じ戦略をとって入った場合の勝率よりも高くなるだろうということは十分に予測できる。

 多くの人がこの戦略をとっている場合には、そもそもこれをあえて「戦略」として論じることに意味がなくなるわけで、この戦略自体が陳腐化し、また別の細かい差別化がはかられることになるのだろう。特に河に一定のパターンを作ることを最初から意識するという話は興味深かった。場の進行に影響を与えるという目的が特にない局面では、つねに一定のパターンで牌を捨てていった方が、ある意味では「場を乱さない」ということになる。

 このような考え方はモノポリーというゲームでかなり前から定着していた。つまり、自分のプレイの仕方が、マーケットに影響を与えるということを意識し、マーケットにどれだけ介入するのかを自らコントロールしながら最適解を目指すという考え方。麻雀にももちろんあったわけだけれども、モノポリーの場合ほど明示的に行われていなかった/意識されていなかったのは、理論化が行われたのが比較的新しい時代だったから、だろうか?

 個人的には、東風戦というのは別にやってもいいけれども、赤牌、花牌、そして特に一発ご祝儀のルールではやりたくない。ドラを増やすというのは本質的には単なる点数のインフレだけれども、麻雀の点数とはまったく異なる原理で金が動くご祝儀は、マーケットの撹乱要因にしかならない気がする。

1998/4/8

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