ゴミ投資家のためのビッグバン入門

タックスヘイヴンを楽しむ会 / メディアワークス / 98/05/15

★★★★

DIYで海外ファンドを利用する方法

 金融資産が1億円以下の人を、投資機関から相手にされないという意味で「ゴミ投資家」と呼び、そのような人々がDIYでビッグバンに対応した投資を行う方法を解説する。日本で販売されている商品がほとんどすべて不利であることを示し、外貨預金+海外の投資信託が一番良いとする。この本ではオフショア・バンクにメール・オーダーで口座を開く手順を詳しく説明している。

 このあと、第2弾として『ゴミ投資家のための税金天国入門』、第3弾として『ゴミ投資家のための海外ファンド入門』が出ている。人脈としては『日本人のためのオフショア金融センターの知識』のリチャード・マイケル・ナッシュ絡みのようだ。第4弾としては、『1 000ドルから本気でやるアメリカ株式投資』に近い、アメリカの株式市場への投資を扱うらしい。

 このシリーズは、「ゴミ投資家」のためのきわめて実践的なマニュアルとして非常に面白いのだが、オフショア・バンクでの口座開設とオフショア・ファンドへの投資をこう簡単に勧めてしまっていいものなのかという疑問が残る。これは『1 000ドルから本気でやるアメリカ株式投資』でも強く感じたことなのだが、どうせ日本で運用しても無意味だからバクチでもやるか、という話だということを理解しておかないと、哀しい目にあうかもしれない。結局のところ、銀行業がもっぱらドメスティックなユーザーを対象にして成り立っているのは、それなりの理由があるわけだから。

 そもそも、このシリーズでは元本蓄積型のファンドであれば解約するまでは課税されないということと、長期投資を行うというところに、タックス・ヘイヴンの合法的な使用の可能性を見いだしているわけだが(まあ随所で実質的に脱税を勧めているのだが)、いま選んだオフショア・ファンドが長期的に存続するという保証はどこにもないわけで。まあ、いきなり行方がわからなくなるということはないにしても、ファンドが解散した場合、返されるお金は課税対象になるわけだから。

1999/3/26

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