歴史と真実

いま日本の歴史を考える

多数 / 筑摩書房 / 97/11/15

信用できないオーラ

 『「自由主義史観」の運動に反論する歴史家と言論人』(帯より)によるオムニバス。有名どころでは吉見義明、本多勝一、佐高信などが稿を寄せている。1997年に行われたシンポジウムがもとになっているらしく、その講演のテープ起こしにあまり手を加えずに出版されたのでしょう。そういう意味ではハンディキャップを背負っているともいえるけど、それにしてもこの本は犯罪的なほどプロパガンダ的で、たしかに「自由主義史観」に苛立っているのはわかったけど、これじゃ味方はつかないよ、という感じ。買って損をした。

 この本のひどさを強調したいのは、こういう本があるからこそ、「自由主義史観」が受容されているのだという因果関係がかなり明確に見えるからです。実際、小林よしのりがこの本を読んで「学者は信用できない」という感想を述べるという光景は容易に想像できる。内容については論じる気にもならない。

1998/3/25

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