所沢高校の730日

所沢高校卒業生有志 / 創出版 / 99/08/25

★★★

思っていたのと少し違った

 1996年から1998年にかけて所沢高校で起こった「入学式」と「卒業式」を巡る校長と学生の間の騒動について、学生の側から見た様子を書いた本。この事件についてはちゃんとフォローしていなかったので、この本で細かいことを初めて知ったのだが……。思っていたのと少し違った。この本では明示的には記されていないけれども、これは「校長と学生」の間の衝突ではなく、「校長とその他の教師」の間の衝突という要素の方が強かったのではないか、と私は推測する。学生は代理戦争を戦ったのではないか、と思った。

 この本は学生の立場から描かれているから、教師が何をやっていたのかということははっきりとわからない。しかしあちこちから垣間見えるのは、教師が校長との戦いに勝てなかったがゆえに、戦線が学生の側まで移動した、という事情である。まあこれを「教師に扇動された学生が……」と表現するか、「この戦いにおいて、教師よりも学生が強いということがわかった」と言うかは立場によって違うわけだが。校長が学生の主張に関して一貫して(学生側が望むほどの)関心を払っていないのは、そもそも校長の眼中に学生がなかったこと、彼の主要な敵が教師たちだったことを示しているように思うのだが、どうか?

 個人的には、どうでもいい話なので(そもそも「入学式」と「卒業式」がどうでもいいと思っている)、あまり強い感想はない。ちなみに私は、プロレス会場では国旗掲揚のときには立ち上がらず、君が代も歌わないようにしている。他のところではどうでもよいが、プロレス会場という神聖な場に限っては国旗と国家に敬意を表すべきである、というふうに非難されたことがある。

1999/8/29

 「日の丸・君が代」批判派による本、『公論よ起これ! 「日の丸・君が代」』には、教師の立場から書かれた文章が多く収録されており、この事件に関する言及も多い。教師の立場からも、だいたい上で書いていることには賛成のようだ。

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