仕事くれ。

The Job

ダグラス・ケネディ / 新潮社 / 99/09/01

★★★

前作よりは面白い

 『ビッグ・ピクチャー』の著者の、日本で出版されたものとしては2作目。前作は中年男向けロマンス小説だったが、今回は古典的な巻き込まれサスペンス。陰謀に巻き込まれた男が、その陰謀の中で起死回生的な反撃をするというもので、甘い味つけによってマーケットを広げようという戦略が前作同様はっきりと見える。

 主人公はセールスマンで、このセールスマンとしての仕事の描写が興味深かった。攻撃的なセールスが成功したときに幸福感が生じるという心理のあり方を、このように徹底的にポジティブに描いた小説は(私の守備範囲では)他にあまり見ない。『ダーティ・ハンズ』で描かれていた政治と権力の魅力を思い出した。

1999/9/21

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