ブラックバスがメダカを食う

日本の生態系が危ない!

秋月岩魚 / 宝島社 / 99/09/24

★★★★★

反ブラックバス派の力強い攻撃

 反ブラックバス派による攻撃。著者は写真家。

 この本の面白いところは、バス釣り雑誌の記事などを引用して、ブラックバスの密放流がブラックバス推進派の手によって組織的に行われてきたことを指摘していることである。ブラックバスが日本全国に広がった背後に、ブラックバス産業の陰謀があるという説は、これまであまり真剣に受け止めていなかったのだが、これらの記述を読むとどうやら本当のことらしいと思った。もっと興味深いのは、バス釣りで一般的になっているキャッチ・アンド・リリースを、バスという資源を有効活用することに関心を持つブラックバス産業の誘導であると決めつけていることである。

 以前、推進派の手による本を1冊読んだことがあったが(タイトルを忘れた)、読んだ感想は、弁護の余地があまりないなというものだった。結局のところ、この問題は、クリティカル・マスという点に集約されると思う。登山は楽しいが、それを楽しむ人の絶対的な人数が増えると山が荒れる、というようなものだ。バス釣りも、限定された水域で少数の人が楽しむのならば、それほどは問題にはならないと思うが、大衆的な娯楽として位置づけられると、釣り場もそれだけ多くしなくてはならないので、日本全国の生態系が破壊される。その点で、著者がバス釣りを中心に置いた「産業」を批判するのはきわめて正しいと思う。また、この動きを逆転させるための方法論として、帯にあるように「「バス釣り」は犯罪である」と主張するのも正しいと思う。

 本書によると、90年代前半になって、日本国内でコクチバスの存在が確認されてから、当局に、これに厳格に対応するという姿勢が生まれたらしい。遅すぎた対応ともいえるけれども、うまくやってほしいものだ。

1999/9/27

 上にある「推進派の手による本」は、『僕がバス釣りに行く理由』(福原毅)だった。

1999/10/25

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