ボーン・コレクター

The Bone Collector

ジェフリー・ディーヴァー / 文藝春秋 / 99/09/20

★★★★

バカバカしいと思いつつも一気読み

 著者は『監禁』『眠れぬイヴのために』などを書いたジェフリー・ディーヴァー。四肢麻痺患者となっている元刑事が連続殺人事件の捜査を行うという馬鹿馬鹿しい話。これほどまでに科学的捜査法を詳しく扱ったミステリ小説はいままで読んだことがないが、これは科学的捜査法と安楽椅子探偵のアイデアを組み合わせた一発勝負の小説なので、当然といえば当然である。

 細かく描写するとかなり面白くなりそうな設定がいっぱいあるのだが、細かい描写よりもスピード感をとったのだろう、全体として薄っぺらい。しかし、このスピード感がないと、これほどバカバカしいストーリーに最後まで緊張感を保たせるのは難しいだろうとも思う。だいたいこの事件全体が、主人公のためにあつらえられたような展開を見せるので、リアリズムも何もあったもんじゃないのだ。

 身体障害者が捜査を行うという話では、デイヴィッド・ローンの「盲目の元音響技師ハーレック」シリーズ(『復讐の残響』など)を思い出すのだが、ハーレック・シリーズに見られる鬱陶しさをうまく回避しているところはインテリという感じがする。これがシリーズものになってしまうと危ないと思うんだが、著者は2作目(1998年の"The Coffin Dancer")でシリーズを中断しているらしい。

1999/10/2

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