いま政治は何をすべきか

新世紀日本の設計図

加藤紘一 / 講談社 / 99/08/26

★★★★

次の総理に最も近い男

 自民党の有力議員による包括的な政策提言の本。「小さい政府」派。

 書いてあることは至極まっとう。いまの日本で、この本の大筋に反対する人はそれほど多くはないだろうと思う。その意味で、もしこの人が首相になって、このような政策をインプリメントすることができたとしたら、日本的な「速度の遅い合意形成」の典型例と理解できるんじゃないかと思う。

 しかし読んでいる間ずっと、この本が何人の人の手によって書かれているのかが気になって仕方がなかった。第IV部の「国家ヴィジョン - 新しい力・新しい価値」は、章ごとに違う担当者が書いているように見えるが、特に第十六章の「「科学技術ルネッサンス・イニシアティブ」のすすめ」は文体の違いが際だっている。別に本人がすべて書くべきだとは思わないけれども、この人は本当にわかっているんだろうかという不安が、特に核融合研究の推進を主張している箇所を読んでいるときなどに頭をもたげてきたことは否定できない。

1999/10/2

著者のオフィシャル・サイト
なお、宏池会のメンバーである白川勝彦の『自自公を批判する』の項も参照。

2000/5/15

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ