お笑い公安調査庁

現場調査官の九六綴り

吉見太郎とその仲間 / 現代書館 / 99/08/30

★★★

気軽な読み物を指向しているのだろうけれども、少しつらい

 著者は元関東公安調査局職員のジャーナリスト。公安調査庁がいかにダメかを示すエピソードを並べた軽い読み物を指向しているのだが、文体の軽さと内容の重みが釣り合っていないように思えた。

 180ページから、『週刊新潮』(1999年7月29日号)で報道された、公安調査庁内部で起きた「ストーカー強姦未遂事件」についての「犯人」側の主張を取り上げた詳しい説明がある。

 なお、オウム地下鉄事件の勃発時の公安調査庁の対応を描いた部分などに、『溶解する公安調査庁』とほとんど同じ文章が入っており、どうやら『溶解する公安調査庁』の著者は本書の執筆協力者の1人であるようだ。出版社の現代書館は、軽い本書と重い『溶解する公安調査庁』の2本立てで広い範囲の読者に訴えかけようとしているのだろうが、前者は軽すぎ、後者は重すぎるという印象があった。

1999/10/2

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