医者が患者をだますとき

Confessions of a Medical Heretic

ロバート・メンデルソン / 草思社 / 99/02/17

★★★

面白い内容なのだが、いかんせん古い

 著者は「民衆のための医者」と呼ばれて親しまれた小児科医らしい。1979年にアメリカで出版された本書は、30万部を超えるベストセラーとなったという。

 自ら医者でありながら、現代医療に対する不信を徹底的にまで押し進めている本書は、その極端さが面白いのだけれども、いかんせん内容が古すぎて、果たしていま読む価値があるかどうかはわからない。しかし1979年のアメリカは、インフォームド・コンセントの概念が普及する前で、いまの日本の医療の状況と通底してしまうところもあって興味深い。出版当時のアメリカでは大いに役立った本なのだろう。

 いまの日本でいえば、永井明(『ぼくが「医療常識」を信じない理由』など)が医者をやめずに、日本なんとか医学会の会長ぐらいになるまで出世して(まあ無理だろうけれども)、最新の医学の知見をふんだんに引用しながら、医療を批判する本を書いたら、こういう感じの本になったかもしれない。

1999/10/6

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