大陪審団

Grand Jury

フィリップ・フリードマン / 講談社 / 99/10/15

翻訳があまりにもひどすぎる

 著者は『合理的な疑い』と『採用できない証拠』というリーガル・サスペンスを書いた人。どちらもそんなに悪い印象は受けなかった(素晴らしかったというわけでもないことはたしかなんだが)が、この『大陪審団』はひどい出来である。

 この小説、大陪審が出てくるのは最初のうちのほんの少しで、あとは甘ったるい冒険小説だった。アメリカにおける中国人移民という社会的なテーマがベースにあるにしても、その上で展開される話がロマンス小説のようにふにゃふにゃである。しかし、このひどさがどこまで小説自体のひどさなのかがわからなくなるほど翻訳がひどい。誤訳と思われる箇所も散見されるけれども、それ以前に、先を読み進める気がなくなるほど文体がなっていない。

1999/10/25

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