盗まれたワールドカップ

How they Stole the Game

デヴィッド・ヤロップ / アーティストハウス / 99/04/20

★★★★★

非常に重要な本なんだと思う

 国際サッカー連盟(FIFA)の元会長ジョアン・アベランジェの履歴を詳しく追い、FIFAの体質を鋭く批判するノンフィクション。『オリンピックの汚れた貴族』と似たような話ではあるが、こちらの方はとてもまっとうな本だった。

 アベランジェがFIFAに関わり始めた初期の段階から、電通が密接に関与していた事情が詳しく記されていて興味深い。そういえば1998年のワールドカップ・フランス大会で起こったチケット騒動では、根本的な原因が電通の関連組織の不手際にあったにもかかわらず、日本のメディアがそこらへんへの言及を巧妙に避けたという出来事があった。

 アベランジェはオリンピックのサマランチに勝るとも劣らない怪しげな人物なのだが、その経歴を徹底的に追跡した良書である。現在につながる国際サッカーの歴史を概観した本としても面白い。

1999/10/25

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