駐韓米軍犯罪白書

駐韓米軍犯罪根絶のための運動本部 / 青木書店 / 99/01/25

★★★★

基地問題についての広い視野からのレポート

 本書は、駐韓米軍犯罪に関連して活動している韓国の運動グループ「駐韓米軍犯罪根絶のための運動本部」のレポートを、日本語版のために大幅に編集したもの。その結果、基地問題全般を広い視野から扱った興味深い本になっている。

 韓国における米軍基地の問題は、朝鮮戦争後、アメリカ寄りの軍事政権が長く続いたこともあって、日本の抱えている問題よりもずっと深刻である(日本の場合は沖縄という土地にその問題を封じ込めているわけだが)。驚いたのは、1995年に沖縄で起きた少女暴行事件に関して、クリントン大統領が日本国民に対して謝罪したことが韓国に衝撃を与えたという記述だった。韓国人は、そのようなことに関してアメリカから公式の謝罪がありうるということを想像できないような状況にある(少なくとも長い間あった)のだと思われる。

 米軍の軍人や軍属による犯罪を初めとして、基地の与える経済的な影響(PXからの横流し、売春など)、土地問題(沖縄よりも深刻な状況)、環境問題などの幅広いトピックが扱われている。これらが素直にナショナリスティックな心情と結びついているところが日本とはずいぶん違うのだが、一般的な世論がどんな感じなのかはこの本からはわからない。

1999/11/19

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ